みどりの食料システム戦略について

農林水産省が5月に策定したみどりの食料システム戦略について小規模農家のにでも関係しそうなところを簡単にまとめてみました。
索引(https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/attach/pdf/index-7.pdf)

現状・課題

1、生産者の減少・高齢化による生産量減少、地域コミュニティの衰退

2、地球環境の気候変度による生産物の被害・薬剤抗体を持つ病害虫の蔓延、環境負荷軽減

3、コロナウィルス感染拡大で消費の動向が変わり、生産から消費までの効率化

対策方針

1、生産性向上について、スマート技術導入により時間削減・規模拡大を活かしたコスト削減

2、持続可能性の価値が重要になって、世界の基準に日本も合わせていく必要がある

3、農業資材・生産物の生産、加工・流通、消費に至る食料システムの構築

目標

2030年までの目標

・食品製造業の自動化などを進め、労働生産性を3割向上

・持続可能性に配慮した輸入原材料の調達

・2000年度比で食品ロスの半減

2040年までの目標

・ネオニコチオイド系農薬に代わる新薬の開発

・次世代有機農業に関する技術を確立

2050年までの目標

・農林水産業のCO2ゼロミッション化の実現

・有機農業取組面積割合を25%に拡大

・化学農薬使用率を50%低減

・化学肥料使用率を30%低減

・園芸施設が化石燃料を使用しない施設への完全移行

具体的取組

資材・エネルギーの脱輸入・脱炭素・環境負荷軽減

・太陽光発電などによる地産地消エネルギーマネジメントの構築

・化学薬剤、化学肥料を減らすために堆肥・飼料・有機物の高品質化、使用

イノベーションによる持続的生産体制の構築

・ドローンを利用したピンポイント肥料、農薬散布

・有機農業のノウハウを確立、推進

今ムーの考察、感想

世界にはまだ飢餓人口が多く、その数もここ数年増えている。
深刻な食料問題がくる前に持続可能性のある食料生産システムが構築できるよう策定されている。
日本も世界標準のSDGsを考えてますっていうポーズをとっているだけで実現可能性は低いだろう。

世界地図で見ればすぐわかるが日本は小国である。
大規模農業をしても生産性向上とコスト削減は大国に比べたら影響は小さい。
他国は陸で繋がっているとこが多く、物流が容易でコストも低い。
日本は島国なので船の輸出入する必要があり、生鮮食品では時間とコストがかかる。
以上の事から、足りない物は輸入する必要があるが、日本には国産国消が合っているとも思う。

農林水産省はみどりの食料システム戦略を政策に掲げたので、
スマート農業導入の補助、化学農薬・化学肥料の値上がり、有機農産物に対する補助、
などいろいろな事が考えられる。
今村農園でも取り組める事
・ビニールハウスに環境制御を導入する事で、植物により効率よく光合成をさせ生産量の向上、農薬散布の頻度を下げる
・ネコニコチオイド系の農薬を使わない
・現在使用している化学肥料に近い成分の有機肥料を使用する
・食べチョク、産直など消費者になるべく近いところでの販路拡大
取り組めない事
・家族営農で規模の拡大・スマート農業に転換するための多額の投資

否定的な事をいう頑固な農業ではなく、変化に寛容な農業を進めていけたらと思う。